■ 卦辞・爻辞の説明
010011 水 ・ 澤 ・ 節
<卦の配列順序の説明(易経・序卦伝より)>
節制の道
理由:607.物事は永遠に離散するわけにはいかない。節度・区切りが必要である。従って,離散を防ぐ(=渙)に続くは節制の道(=節)。
<卦辞>
600.もし大量の水があれば人は洪水を警戒し,少なければ干ばつの可能性を心配せねばなりません。物事が過不足なく中間を往くように節制することが理想であり成功しますが,痛みを伴う「苦い」長期的な節制はよくありません。原典参照
<爻辞>
初九601.貴方は周囲から抜き出ることができる人ですが,今は節制の時なのでそうするのは適切でないことを理解して下さい。自制することで,自分の土俵からは一歩も先に出ないくらいの慎重さでも問題はありません。 原典参照
九二602.時機すでに至れり,外に出て何かするべきです。しかし躊躇して自分の殻を打ち破ることができないような消極的態度ではチャンスを失います。凶でしょう。 原典参照
六三603.行き過ぎた状態が限界に達しています。もし貴方がその状態を構わないでいるなら,やがて嘆き溜息をつくような結果となります。しかし,自分でその現実を作っているのですから,誰を責めることができるでしょうか?。 原典参照
六四604.リーダーの採った道を素直に継承して,貴方は節約・規制すべき状況を理解し,苦も無く節制を受け入れているようです。万事円滑かつ首尾よくいくでしょう。 原典参照
九五605.貴い地位にいるリーダである貴方は,いかなる節制をも喜んで受け入れているようです。自ら倹約し,質素な生活を皆にも勧めています。吉です。進んで実践することで人からも敬重されます。 原典参照
上六606.行き過ぎた節制(=苦節)には痛みを感じるものです。やり過ぎたり,固執していると災いとなります。しかし,苦節すること自体は,信念を貫き通すことなので悔いは残らないでしょう。 原典参照