■ 卦辞・爻辞の説明
011111 澤 ・ 天 ・ 夬
<卦の配列順序の説明(易経・序卦伝より)>
小人決去の道
理由:437.増加(利益)が過ぎるとそれはいつかは溢れ出す(決壊する)。決とは決心して消去する(=決去)ということである。従って,益に続くは夬(=小人決去の道)。
<卦辞>
430.国家・会社を安泰・繁栄させるためには,どうしてもその経営陣からずる賢い才子を決去せねばなりません。悪事は白日のもとに晒し,誠意を持って周囲の人々に呼びかけるべきですが,それは正義である反面危ない仕事でもあります。慎重さが求められます。原典参照
<爻辞>
初九431.上にいるずる賢い才子をいかに決去しようとしても,まだ貴方の力も弱く,また時機も状況も適切ではありません。軽率な行動は失敗し,後々も問題を残します。自重すべきです。 原典参照
九二432.上にいるずる賢い才子を決去するにあたって,反撃に備えて防備を固め,仲間にも警告を発するよう慎重を期していれば何も憂うることはありません。 原典参照
九三433.上にいるずる賢い才子を決去しようとする興奮が顔に出るようでは災いがあります。しかし,やるべきときはやるのが立派な男子ですから,上と通じているとの疑いをかけられ,味方から怒られるくらいのことはやっても問題はありません。 原典参照
九四434.上にいるずる賢い才子を決去するにあたって,共鳴する仲間と行動を共にする初期段階に入っています。しかし,責任ある立場ゆえかなかなか決心がつかず,仲間の言葉を信用できないとは愚かなことです。 原典参照
九五435.上のずる賢い才子を決去すべきリーダーでありながら,その悪党に丸め込まれているように見えます。しかし,決去する意志は固いでしょうから,その志を保っていれば問題はないでしょう。 原典参照
上六436.年貢の納め時です。あんなに悪いことばかりしていては,助けてくれるような人は誰もいません。災いがあるでしょう。 原典参照