■ 卦辞・爻辞の説明
100011 山 ・ 澤 ・ 損
<卦の配列順序の説明(易経・序卦伝より)>
損と克己の道
理由:417.苦難が解決し,前に進むことが過ぎると必ず失うものがある。従って,苦難の解消(=解)に続くは損失(=損)。また,それを防ぐための克己の道。
<卦辞>
410.自分を減らして(損をして)上を助ける(益する)ことは,真心があれば大いに吉です。また,自分が華美や無駄を省いているのに上が栄えることを許す克己心が重要になります。原典参照
<爻辞>
初九411.自分の事はさておいても,速やかに行って助けてあげれば悪くはない。ただし,自分を損して上に尽くすのであるから,事情を斟酌してほどほどにしたほうが良い。 原典参照
九二412.中庸の徳をしっかり守って,正しい振る舞いをすること。行って無理やり事をなそうとすると凶です。自分を損することなしに相手を益することもできるはずです。 原典参照
六三413.独りで行けば調和のとれた朋に出会い,二人で行けば互いに親密な関係が得られ,三人で行くと互いに猜疑心が生じて,結局一人を失うことになるでしょう。 原典参照
六四414.真の友の助けを得て,自分の欠点(または病気の苦しみ)を減らすことができます。援助のお願いが速やかであればあるほど喜びも大きいでしょう。悪くはありません。 原典参照
六五415.謙虚で優しい貴方には周囲の人すべてが,喜んで自分が損をしてでも貴方を益しようとしています。これは,どんな占いをもってしても変えることができないでしょう。大いに吉です。 原典参照
上九416.他人を損することがなくても自分を益することができます。他人は損しないのですから悪いわけはないし,定常的に益を得る最高の方法です。身を正しく保っていれば吉で,行って大事をなすのによろしいでしょう。 原典参照