易経本文
漢字表記日本語の読み方例
蠱、元亨。こは、おおいにとおる。
蠱は、元いに亨る。
利渉大川。おおかわをわたるによろし。
大川を渉るに利ろし。
先甲三日、後甲三日。こうにさきだつことみっか、こうにおくるることみっか。
甲に先だつこと三日、甲に後るること三日。


彖伝
漢字表記日本語の読み方例
彖曰、蠱、剛上而柔下。たんにいわく、こは、ごうのぼりてじゅうくだる。
彖に曰く、蠱は、剛上りて柔下る。
巽而止蠱。したがいてとどまるはこなり。
巽いて止まるは蠱なり。
蠱元亨而天下治也。こはおおいにとおりててんかおさまるなり。
蠱は元いに亨りて天下治まるなり。
利渉大川、往有事也。おおかわをわたるによろしとは、ゆきてことあるなり。
大川を渉るに利ろしとは、往きて事あるなり。
先甲三日、後甲三日、終則有始、天行也。こうにさきだつことみっか、こうにおくるることみっかとは、おわればはじめあり、てんぎょうなるなり。
甲に先だつこと三日、甲に後るること三日とは、終れば始あり、天行なるなり。


象伝
漢字表記日本語の読み方例
象曰、山下有風蠱。しょうにいわく、さんかにかぜあるはこなり。
象に曰く、山下に風あるは蠱なり。
君子以振民育徳。くんしもってたみをすくいとくをやしなう。
君子もって民を振い徳を育う。


出典; ①高田真治・後藤基巳訳(1969) 『易経』(上)(下)岩波文庫(岩波書店)