易経本文
漢字表記日本語の読み方例
无妄、元亨利貞。むぼうはおおいにとおりてただしきによろし。
无妄は元いに亨りて貞しきに利ろし。
其匪正有眚。それせいにあらざるときはわざわいあり。
それ正にあらざるときは眚いあり。
不利有攸往。ゆくところあるによろしからず。
往くところあるによろしからず。


彖伝
漢字表記日本語の読み方例
彖曰、无妄、剛自外来而為主於内。たんにいわく、むぼうは、ごうそとよりきたりてうちにしゅとなる。
彖に曰く、无妄は、剛外より来りて内に主となる。
動而健。うごきてすこやかなり。
動きて健なり。
剛中而應。ごうちゅうにしておうず。
剛中にして応ず。
大亨以正、天之命也。おおいにとおりてもってただしきは、てんのめいなればなり。
大いに亨りてもって正しきは、天の命なればなり。
其匪正有眚、不利有攸往、无妄之往、何之矣。それせいにあらざるときはわざわいいあり、ゆくところあるによろしからずとは、むぼうのゆくは、いずくにかゆかん。
それ正にあらざるときは眚いあり、往くところあるに利ろしからずとは、无妄の往くは、いずくにか之かん。
天命不祐、行矣哉。てんめいたすけず、いかんや。
天命祐けず、行かんや。


象伝
漢字表記日本語の読み方例
象曰、天下雷行、物與无妄。しょうにいわく、てんのしたにらいいき、ものごとにむぼうをあたう。
象に曰く、天の下に雷行き、物ごとに无妄を与う。
先王以茂対時育萬物。せんおうもってさかんにときにたいしばんぶつをやしなう。
先王もって茂んに時に対し万物を育う。


出典; ①高田真治・後藤基巳訳(1969) 『易経』(上)(下)岩波文庫(岩波書店)