易経本文
漢字表記日本語の読み方例
睽、小事吉。けいは、しょうじにきちなり。
睽は、小事に吉なり。


彖伝
漢字表記日本語の読み方例
彖曰、睽、火動而上、澤動而下。たんにいわく、けいは、ひうごきてのぼり、さわうごきてくだる。
彖に曰く、睽は、火動きて上り、沢動きて下る。
二女同居、其志不同行。にじょどうきょして、そのこころざしはおこないをおなじくせず。
二女同居して、その志は行ないを同じくせず。
説而麗乎明、柔進而上行、得中而應乎剛。よろこびてめいにつき、じゅうすすみてじょうこうし、ちゅうをえてごうにおうず。
説びて明に麗き、柔進みて上行し、中を得て剛に応ず。
是以小事吉。ここをもってしょうじにきちなるなり。
ここをもって小事に吉なるなり。
天地睽而其事同也。てんちはそむけどもそのことおなじきなり。
天地は睽けどもその事同じきなり。
男女睽而其志通也。だんじょはそむけどもそのこころざしつうずるなり。
男女は睽けどもその志通ずるなり。
萬物睽而其事類也。ばんぶつはそむけどもそのことるいするなり。
万物は睽けどもその事類するなり。
睽之時用、大矣哉。けいのじよう、おおいなるかな。
睽の時用、大いなる哉。


象伝
漢字表記日本語の読み方例
象曰、上火下澤睽。しょうにいわく、うえにひありしたにさわあるはけいなり。
象に曰く、上に火あり下に沢あるは睽なり。
君子以同而異。くんしもっておなじくしてことなる。
君子もって同じくして異なる。


出典; ①高田真治・後藤基巳訳(1969) 『易経』(上)(下)岩波文庫(岩波書店)