易経本文
漢字表記日本語の読み方例
夬、揚干王庭。孚号、有厲。かいは、おうていにあぐ。まことあってさけび、あやうきことあり。
夬は、王庭に揚ぐ。孚あって号び、厲きことあり。
告自邑。不利即戎。つぐることゆうよりす。じゅうにつくによろしからず。
告ぐること邑よりす。戎に即くに利ろしからず。
利有攸往。ゆくところあるによろし。
往くところあるに利ろし。


彖伝
漢字表記日本語の読み方例
彖曰、夬、決也。たんにいわく、かいは、けつなり。
彖に曰く、夬は、決なり。
剛決柔也。ごうのじゅうをけっするなり。
剛の柔を決するなり。
健而説、決而和。すこやかにしてよろこび、けっしてわす。
健にして説び、決して和す。
揚干王庭、柔乗五剛也。おうていにあぐとは、じゅうごごうにのればなり。
王庭に揚ぐとは、柔五剛に乗ればなり。
孚号、有厲、其危乃光也。まことありてさけび、あやうきことありとは、それあやぶむときはすなわちおおいなるなり。
孚ありて号び、厲きことありとは、それ危ぶむときはすなわち光いなるなり。
告自邑、不利即戎、所尚乃窮也。つぐることゆうよりす、じゅうにつくによろしからずとは、たっとぶところすなわちきわまるなり。
告ぐること邑よりす、戎に即くに利ろしからずとは、尚ぶところすなわち窮まるなり。
利有攸往、剛長乃終也。ゆくところあるによろしとは、ごうちょうずればすなわちおわればなり。
往くところあるに利ろしとは、剛長ずればすなわち終ればなり。


象伝
漢字表記日本語の読み方例
象曰、澤上於天夬。しょうにいわく、たくのてんにのぼるはかいなり。
象に曰く、沢の天に上るは夬なり。
君子以施禄及下、居徳則忌。くんしもってろくをほどしてしたにおよぼし、とくにいることはすなわちいむ。
君子もって禄を施して下に及ぼし、徳に居ることはすなわち忌む。


出典; ①高田真治・後藤基巳訳(1969) 『易経』(上)(下)岩波文庫(岩波書店)