易経本文
漢字表記日本語の読み方例
井、改邑不改井。せいは、ゆうをあらためていをあらためず。
井は、邑を改めて井を改めず。
无喪无得。うしなうなくえるなし。
喪うなく得るなし。
往来井井。おうらいせいをいとす。
往来井を井とす。
汔至亦未?井、羸其瓶、凶。ほとんどいたらんとして、またいまだいにつりいとせず、そのつるべをやぶる。きょうなり。
汔んど至らんとして、またいまだ井に?せず、その瓶を羸る。凶なり。


彖伝
漢字表記日本語の読み方例
彖曰、巽乎水而上水井。たんにいわく、みずにいれてみずをあぐるはせいなり。
彖に曰く、水に巽れて水を上ぐるは井なり。
井養而不窮也。せいはやしないてきわまらざるなり。
井は養いて窮まらざるなり。
改邑不改井、乃以剛中也。ゆうをあらめていをあらためずとは、すなわちごうちゅうなるをもってなり。
邑を改めて井を改めずとは、すなわち剛中なるをもってなり。
汔至亦未?井、未有功也。ほとんどいたらんとして、またいまだいにつりいとせずとは、いまだこうあらざるなり。
汔んど至らんとして、またいまだ井に?せずとは、いまだ功あらざるなり。
羸其瓶、是以凶也。そのつるべをやぶる、ここをもってきょうなるなり。
その瓶を羸る、ここをもって凶なるなり。


象伝
漢字表記日本語の読み方例
象曰、木上有水井。しょうにいわく、きのうえにみずあるはせいなり。
象に曰く、木の上に水あるは井なり。
君子以労民勧相。くんしもってたみをねぎらいすすめたすく。
君子もって民を労い勧め相く。


出典; ①高田真治・後藤基巳訳(1969) 『易経』(上)(下)岩波文庫(岩波書店)