易経本文

漢字表記	日本語の読み方例
中孚、豚魚吉。利渉大川。利貞。	ちゅうふは、とんぎょにしてきちなり。おおかわをわたるによろし。ただしきによろし。 中孚は、豚魚にして吉なり。大川を渉るに利ろし。貞しきに利ろし。

彖伝

漢字表記	日本語の読み方例
彖曰、中孚、柔在内而剛得中。	たんにいわく、ちゅうふは、じゅう、うちにありてごう、ちゅうをえたり。 彖に曰く、中孚は、柔、内に在りて剛、中を得たり。
説而巽、孚乃化邦也。	よろこびてしたがい、まことありてすなわちくにをかするなり。 説びて巽い、孚ありてすなわち邦を化するなり。
豚魚吉、信及豚魚也。	とんぎょにしてきちなりとは、しんとんぎょにおよぶなり。 豚魚にして吉なりとは、信豚魚に及ぶなり。
利渉大川、乗木舟虚也。	おおかわをわたるによろしとは、きにのりてふねきょなればなり。 大川を渉るに利ろしとは、木に乗りて舟虚なればなり。
中孚以利貞、乃應乎天也。	ちゅうふにしてもってただしきによろしとは、すなわちてんにおうずるなり。 中孚にしてもって貞しきに利ろしとは、すなわち天に応ずるなり。

象伝

漢字表記	日本語の読み方例
象曰、澤上有風中孚。	しょうにいわく、たくじょうにかぜあるはちゅうふなり。 象に曰く、沢上に風あるは中孚なり。
君子以議獄緩死。	くんしもってごくをぎししをゆるくす。 君子もって獄を議し死を緩くす。

出典；　①高田真治・後藤基巳訳(1969)　『易経』（上）（下）岩波文庫（岩波書店）