■ 卦辞・爻辞の説明
110111 風 ・ 天 ・ 小蓄
<卦の配列順序の説明(易経・序卦伝より)>
進歩と内省
理由:097.群集が調和のある連帯を造れば,そこには何かが蓄積されてきます。従って,群集の連帯に続くは小さな蓄積,即ち進歩。
<卦辞>
090.西方に密集した雨雲が見えますが,当面雨はふりそうにありません。まだ雨雲には雨をふらすだけの蓄えがありません。今の貴方もそんな状態です。時機いまだ至らずと心得て,軽率な行動を慎み,地道に実力を蓄えてから進めば吉。きっと願いはかなうはずです。一度立ち止まり、不足しているものを補ってから再チャレンジしてみてください。原典参照
<爻辞>
初九091.積極的に打って出たいところであるが,もとの道に帰ってきた。今はここが正しい場所だし、先輩とも心が通じている。何でこれでよくないことがあろうか?吉です。 原典参照
九二092.進むも引くも後輩の仲間と手を取り合ってものごとを進めて、吉。 原典参照
九三093.勢いよくここまで進んできたものの,車輪の基軸が外れて,自滅寸前です。夫婦の歩調が合わず,お互い反目するような破目になる兆候があります。 原典参照
六四094.頼りになる目上の人の助けがあるから,誠心を尽くしてその人を頼れば,やがて不安や憂いもなくなります。志をその人と合わせて吉。 原典参照
九五095.上下志を合わせて誠心誠意事にあたり,独りで富もうなどと思わないで,周りの人々と共に栄えるように心がけてください。Win-Winの関係こそ富を増大させるのが「天の道(Tao of Heaven)」です。 原典参照
上九096.すでに富の蓄積は限界に近い。月でいえば満月に近い。しかし,月の明るさ(=富)は太陽の明るさ(=徳)をしのぐことはない。そろそろ徳の蓄積に目をむけることもお忘れなく。いかに君子とてこのままこれ以上前に進むのは凶です。 原典参照