易経本文
漢字表記日本語の読み方例
頤、貞吉。いは、ただしければきちなり。
頤は、貞しければ吉なり。
観頤自求口実。いをみてみずからこうじつをもとむ。
頤を観てみずから口実を求む。


彖伝
漢字表記日本語の読み方例
彖曰、頤貞吉、養正則吉也。たんにいわく、いはただしければきちなりとは、せいをやしなえばきちなるなり。
彖に曰く、頤は貞しければ吉なりとは、正を養えば吉なるなり。
観頤、観其所養也。いをみるとは、そのやしなうところをみるなり。
頤を観るとは、その養うところを観るなり。
自求口実、観其自養也。みずからこうじつをもとむとは、そのみずからやしなうところをみるなり。
みずから口実を求むとは、そのみずから養うところを観るなり。
天地養萬物、聖人養賢以及萬民。てんちはばんぶつをやしない、せいじんはけんをやしないてもってばんみんにおよぼす。
天地は万物を養い、聖人は賢を養いてもって万民に及ぼす。
頤之時大矣哉。いのときおおいなるかな。
頤の時大いなる哉。


象伝
漢字表記日本語の読み方例
象曰、山下有雷頤。しょうにいわく、さんかにらいあるはいなり。
象に曰く、山下に雷あるは頤なり。
君子以慎言語、節飲食。くんしもってげんごをつつしみ、いんしょくをせっす。
君子もって言語を慎み、飲食を節す。


出典; ①高田真治・後藤基巳訳(1969) 『易経』(上)(下)岩波文庫(岩波書店)