■ 卦辞・爻辞の説明
111100 天 ・ 山 ・ 遯
<卦の配列順序の説明(易経・序卦伝より)>
解脱の道
理由:337.物事は一つの同じ場所に永く止まっていることはできない。従って,恒久に続くは退却・撤退。世俗から撤退するのは別名解脱。
<卦辞>
330.引くも兵法,という諺があります。環境・時流が逆行してるな,と感じた時は,一旦遁れて様子を見て,再度挑戦する時機を伺うことも立派な道です。大きな事をやるのには適していませんが,小さな事も大事にして社会につくすのに適した時期といえます。原典参照
<爻辞>
初六331.逃げ遅れたり,暗闇せまるころ道に迷ったりしたら,無闇に動くと反って危険なので,むしろ動かずに同じ場所にじっとしているのが安全です。進んで事を行なおうとしなければ何の災いもあろうか,という古い教えも中国にあります。 原典参照
六二332.遯れるにあたり,最初からの志操を固く守って,主と戴くものと助け合って前進すればよい。何者も邪魔をすることはできません。引くもまた兵法とは,力を温存し将来の進展を待つことなのです。 原典参照
九三333.遯れるべき時なのに,二人のずる賢い才子に関わって遁れることができず,もがき苦しんでいるようです。家でとるに足らないようなことをして気楽に過ごしていれば吉です。 原典参照
九四334.周りに暗く、しかし牽かれるものがあっても,立派な志のある人は,これからキッパリ遁れることができ吉。ずる賢い才子は,それにのめり込み凶です。 原典参照
九五335.支配的立場にあって,本来の志操を正しくして,これを変えることがなければ吉。「志操が正しい」とは,悪い勢力からキッパリ遯れているからこそ可能なのです。 原典参照
上九336.余裕しゃくしゃくとして,世俗の問題の束縛から遯れることができるほどの賢人の境地です。このようであれば,どんな場合でもよくないはずはありません。 原典参照