■ 卦辞・爻辞の説明
101100 火 ・ 山 ・ 旅
<卦の配列順序の説明(易経・序卦伝より)>
出向の道
理由:567.豊かさが頂点に達し,貧しくなると家も失い流浪の旅にでる。従って,豊満の功罪(=豊)に続くは旅(=出向の道)。
<卦辞>
560.人生は旅,そして人は皆旅人です。サラリーマンの世界ではの旅の代表は子会社への出向ですね。子会社とはいえ,出向先では親会社風は吹かせず,寛容・謙虚さを失わず,人に信頼と誠実さをもって対応すべきでしょう。原典参照
<爻辞>
初六561.せっかく旅に出ても,こせこせして落ち着かないようではいけません。このようでは災いがあります。親会社からの出向も旅と同様,親会社の意向ばかり気にするより,そこに骨を埋めるくらいの覚悟が必要です。 原典参照
六二562.宿があって旅費は十分,おまけに忠実なお伴付きの旅とは最高ですね。同様に,親会社からの出向先の経営が順調で,もとの部下まで一緒に出向していれば鬼に金棒ですね。 原典参照
九三563.宿屋の火事や貴方の手荒い扱いで忠実なお伴も逃げるという,危険きわまりない状況です。同様に,出向先の子会社で思わぬ災難に遇いそうです。出向先でも寛容・謙虚さを失わないことが肝要です。 原典参照
九四564.海外の子会社に出向し,なんとか生活には不自由しない財力を得られても,自分の志をとげるような職がない。そこはただの一時待避所にすぎず,どうにも落ち着かず,楽しくない状況ですね。 原典参照
六五565.親会社から出向を言い渡され,新しい職場で素晴らしい成果をあげ,その名声が親会社まで届いたような状況です。全て貴方が温和で中庸の徳があるからでしょう。これを手土産に親会社への栄転も近いかも? 原典参照
上九566.ちょっと頑固でプライドが高いせいなのか,親会社から出向し,出向先で威張り散らかしているようですね。最初は良くても,最後には大事な手助けも失って泣き叫ぶような状態に陥ってしまいます。凶です。 原典参照