■ 卦辞・爻辞の説明
000111 地 ・ 天 ・ 泰
<卦の配列順序の説明(易経・序卦伝より)>
発達と安泰
理由:117.冷静に自分の義務を遂行した後には,人は平和と安全を感じる。従って,遂行(=履)に続くは発達と安泰(=泰)。
<卦辞>
110.今まさに上下の志が通じる天下泰平の時。しかし、満れば欠けるという諺にもあるように,何事も創生し発展させるのよりも,一旦達成したものを,そのまま維持する事の方が難しいものです。降らないよう注意を怠らないでください。原典参照
<爻辞>
初九111.喩えれば茅を引き抜けば周りの茅の根もごっそり連なって抜けるように,志を同じくする仲間と行動を起こすべき時機であり,一緒に前進して吉です。 原典参照
九二112.危険な、非文化的行動をも十分注意しながらも許容し,疎遠であっても才徳のある人のことを忘れず,自分の利害を超えたところに前進することが,まさに勇気をもって進歩向上の道を行くということです。 原典参照
九三113.物事の道理として,上限まで到達すると下り始めざるをえません。そんなつらい場合でも志節を変えず正しく行くことが重要です。その誠心に徹すれば,永く食録を享けて幸福であるでしょう。 原典参照
六四114.富貴になったといっても,構えずに賢者に下り,自分より尊い身分の人まで一緒に誘っていけるようであれば,自ずから大きな成果が得られるでしょう。いつも隣人には親切かつ協力的であり、行動は鳥の羽ばたきが如きの軽々しさが無いようにしてください。 原典参照
六五115.たとえリーダーの地位にあっても,部下の賢人にへりくだるようであれば,チーム全体が天下泰平,大いに吉でしょう。昔,中国の王様である帝乙は自分の妹を臣下の賢者に嫁がせたが,乙の時代は大いに天下泰平の時として知られています。 原典参照
上六116.いかに泰平の世の中もだんだん衰退していくものです。せっかく築いた城郭も崩れて濠池を埋めるようになりかねません。こういう時機には積極的な経営などはもってのほかです。自分の本業をしっかり守ってください。 原典参照